洒脱な「座談の名手」
2007年2月号 連載 [ひとつの人生]
ゼネコン汚職で辞任した故石川六郎氏(元鹿島会長)を引き継ぎ、1993年に日本商工会議所(東京商工会議所)の会頭に就いた稲葉興作氏。経団連会長も務めた故土光敏夫氏らを輩出した名門、石川島播磨重工業(IHI)の社長、会長を歴任してきたが、晩年は老害批判にさらされた。 最初は97年夏。身内からの批判だった。長野県で開かれた東商の正副会頭会議の席上、大賀典雄副会頭(当時、ソニー会長)が「会議所は『老人会議所』と言われることもある」と口火を切り、他の副会頭も追随。会頭の稲葉氏は「老人会議所と誰が言っているのだ」などと猛反発したことがあった。稲葉氏はその時すでに73歳。財界も若返りが必要との声が強まっていた。 2000年には、01年4月に東京で開かれることになっていた太平洋経済委員会(PBEC)を取り仕切ってから退任する、と任期の1年延長を表明。ここでも岡田卓也東商副 ………
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