東芝原発ビジネスに国内耐震基準の落とし穴

2007年2月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]

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 原油価格高騰に端を発した世界的な原子力発電所の新設ブーム。原発プラント大手の米ウェスチングハウス(WH)買収に成功した東芝は鼻高々だが、心配事がないわけではない。 WHが開発した次世代原発の「AP1000」は加圧水型軽水炉(PWR)の最新型。PWRは世界の原発市場の7割を占める方式で、その流れを汲むAP1000は新規受注の面でも有利とされる。最大の売り物は原子炉でトラブルが生じた場合に、上部のプールにためた大量の水が自然に炉心に向けて流れ込む「静的安全性」を備えていることだ。ところが、これがクセ者。「原子炉の重心が高くなり、日本国内における原発の耐震基準を満たせない可能性がある」(電力会社首脳)からだ。沸騰水型軽水炉(BWR)を長く手がけてきた東芝は、新たにPWRを手中に収めて無敵の原発ビジネスを展開できると期待していたようだが、落とし穴があった。 ………

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