ソフトバンクの「魔法の財布」

途方もない1兆4500億円の資金調達。打ち出の小槌のような孫マジックは健在か。

2007年2月号 BUSINESS

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「正月休みもなしに頑張っているソフトバンクでございます」。1月5日、基本料金980円の新料金プランを発表し、新年早々世の中を驚かせたソフトバンク(SB)の孫正義社長。新しい事業を始めるたびに苦境に立たされながら、何とか乗り越えてきた孫マジックは、今年も健在のようだ。昨年11月30日に携帯事業の証券化による1兆4500億円の資金調達が完了すると、この仕組みを主導したシティバンク東京支店の担当者チームは最高級シャンパンで祝杯をあげた。高い買い物と批判もあったボーダフォン日本法人の買収だが、当初のつなぎ融資の短期借入金を長期に置き換えたことで、当面の資金繰りの問題をクリア。孫社長によるリーダーシップだけが際立つSBだが、それを可能にしてきたのは魔法の財布ともいえる資金調達だ。

金庫番「笠井・後藤」の手腕

「うちで全額やらせてください」。昨年3月、シティバンクがSBに提案したのは、ボーダフォ ………

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