2007年2月号 DEEP [ディープ・インサイド]
中国政府は、気候変動の影響に関する評価報告を06年末に発表した。それによると、今後50~80年の間に、全国の平均気温が2~3度高くなり、平均降水量も7~10%増えるが、干ばつ地域の水不足は改善されない。農業生産への影響が大きく、何の対策もとらなければ、21世紀後半には小麦、水稲、トウモロコシなど主要作物の生産量が最悪37%減少、食糧安全保障上、厳しい状況に追い込まれる、と見ている。 中国による気候変動の影響評価は初めて。報告書は科学技術省、中国気象局、中国科学院など6部門が4年を費やして作成した。高い経済成長が続く中国は温室効果ガスを大量に発生させており、エネルギー利用効率の向上、再生可能エネルギー、原子力技術の革新などが喫緊の課題となっている。 報告では、温暖化によって北部の河川流量は減り、黄河など内陸河川の流域では蒸発量が15%前後増加。201 0~30年 ………
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