東芝ホクホク「中国原発ラッシュ」

WH買収の狙い的中。早くも4基、80億ドルを受注し、2020年まで前途洋々だ。

2007年2月号 GLOBAL

  • はてなブックマークに追加

 安倍晋三首相が就任早々の昨年10月に訪中して、誰よりもほっとしたのが、中国の原子力発電の技術導入担当者だった。 東芝が06年2月、6200億円で米国の原発メーカー、ウェスチングハウス(WH)の全株式を買収したからだ。中国はWH製の加圧水型原子炉(PWR)を導入することを決めようとしていた矢先だっただけに、これには大慌てした。 小泉政権下で冷え切っていた日中関係を思えば、東芝傘下のWHからPWRを導入するのは難しいと考え、いったん袖にしていたフランスの原発メーカー、アレバ社にもう一度交渉のテーブルについてもらったほどである。幸い、小泉政権は安倍政権に交代、12月にはWHから4基の原子炉を総額80億ドルで導入することが決まった。 安倍訪中で東芝も安堵したろう。社運を賭けたWHの買収が、早くも中国の注文で実を結んだからだ。中国は2020年まで100万キロワット時級の原発を少な ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。