岡村 正氏 東芝会長

「仕事と生活の調和」の伝道師

2007年2月号 連載 [経営者のひきだし 第10回]

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 仕事に全力を傾けるために、英気を養う休日があるのか。生活を豊かにするために、休日を充実させる糧を仕事で得ているのか――。 もう20年余りも前、2人の経営者によって、論争があった。仕事こそ「人間が生きる証し」としたのが、西武鉄道グループを率いていた堤義明さん。一方、休日こそ「人間が人間らしく生きるための根幹」と切り返したのが、東急電鉄グループの総帥だった五島昇さん。伊豆・箱根や軽井沢で余暇産業の主導権を競った両者が論じたテーマは、形を変え、いま重要な経営課題に浮上した。「ワーク・ライフ・バランス」 仕事と生活の調和を意味するこの言葉の実現に、最も力を入れている経営者と言えば、この人だ。 岡村正さん。東芝の会長で、日本経団連の副会長を務めている。 その経団連は昨年暮れ、2007年版「経営労働政策委員会報告」を発表した。報告は、序文と4部からなる構成 ………

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