ブッシュ一族「イラク化」路線の前途多難

2007年1月号 連載 [「軍略」探照灯 第9回]

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 2003年3月20日に米、英軍がイラク侵攻を開始して以来3年7カ月余、06年11月7日の米中間選挙で共和党が大敗し、ラムズフェルド国防長官が解任されたことはおそらくイラク戦争の分水嶺になりそうだ。 ベトナム戦争でも転換点は同じく3年7カ月後に来た。1964年8月5日、北ベトナムに工作員を送り込んでいた米駆逐艦マドックスが北ベトナム魚雷艇と交戦、7日に米議会は「トンキン湾決議」でジョンソン大統領に全権を委ねて本格的に戦争に入ったが、68年1月末からの北ベトナム軍・民族解放戦線の「テト攻勢」で米国は勝利をあきらめ、同年3月31日、同大統領は①北ベトナム等との和平交渉を開始する②北ベトナム爆撃は一時停止する③米軍は段階的に撤退する④自分は次期大統領選挙に出馬しない――との声明を発した。以降米国は戦闘を南ベトナム軍にまかせる「ベトナム化」をはかり、徐々に手を引くこととなった。 ………

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