アル・カイダが猛毒ポロニウム入手の恐怖

300万ドルで買おうと魔の手が伸びる。MI6とCIAがパキスタンで傍受した戦慄の通信。

2007年1月号 GLOBAL

  • はてなブックマークに追加

 英国の諜報機関シークレット・インテリジェンス・サービス(俗称MI6、正式にはSIS)は、国際テロ組織アル・カイダが、放射性物質「ポロニウム210」を1グラム300万ドル(約3億4500万円)で購入しようとしていた事実をつかんだ。 ポロニウム210は、ロシアの連邦保安局(FSB)元幹部でスパイだったアレクサンドル・リトビネンコ(2000年に英国亡命)が最初の犠牲者になった猛毒である。 リトビネンコの遺体はいまだ放射能を帯びている(遺体は密閉した柩に入れて埋葬された。ロンドン警察庁は殺人容疑で捜査を進める意向だ)。 12月1日までにリトビネンコに接触した3人がポロニウム210に汚染された疑いで検査を受け、リトビネンコが体調を崩した11月1日に会食した寿司バー「itsu」などロンドン市内10カ所以上で放射性物質の痕跡が検出されている。うちの1カ所が駐英アメリカ大使館のすぐそばにある高 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。