小泉になり損ねた安倍

首相は二兎を追う迷路にさ迷っている。「小泉継承」か「脱小泉」か。支持率低落に歯止めがかかりそうにない。

2007年1月号 POLITICS [支持率低落]

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 就任から3カ月。首相・安倍晋三はすっかり迷路にはまっている。はまっている本人には、出口がいくつあるのか、たどり着いたとしてどこに出るのか、そもそも自分が今どこにいるのか、皆目見当がついていない。いや、迷っていることすら自覚がない場合が多い。往々にして「自分は正しい方向に進んでいる」と確信している。その過信こそが、迷っている原因なのに。 しかも、安倍のはまっている迷路は、全体がすっぽり大きな影に覆われている。影の主は前首相・小泉純一郎という。安倍はさ迷いながら、どこまで行っても頭上につきまとう小泉の影を、半分うっとうしく感じながらも、半面で自分を守ってもくれていると思い込んでいる。雲なら風次第で晴れることがあっても、影は振り払うことができない。なぜなら、それは安倍自身の心理の投影だから。

虫のいい「二股路線」

 安倍の迷路には、二つの出口がある。一つは「第二 ………

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