大衆受けする企業叩きで「庶民の味方」を演じた州司法長官。まんまと知事選で圧勝したが、恨みを買った。
2007年1月号 BUSINESS
「私と一緒に戦う覚悟があ・る・の・かーっ!」 ニューヨーク市内の狭い会場には軽く2千人はいただろう。壇上の候補者が拳を突きあげると、赤白青の紙吹雪と風船が舞い、熱狂した支持者は「いいぞ!」と絶叫した。選挙とは、やはり一種の歌舞伎か。 共和党が惨敗した11月7日の米中間選挙で、「イラク」でなく純粋な国内問題で圧勝した州知事がいる。ニューヨーク州のエリオット・スピッツァーだ。 ウォール街では知らぬ者のない「鬼の州司法長官」。1999年に長官に就任、これまでの長官は薬害など消費者問題に主に取り組んできたが、彼はホワイトカラー犯罪に狙いを定めた。翌年、ITバブルが崩壊すると、石油のエンロンから金融のシティ、保険のAIGなど巨大企業を叩きまくる。バブルを煽ったウォール街の不正を暴く姿勢に、株安に苦しむ庶民は溜飲を下げた。 中身がボロボロのIT企業を「買い推奨」 ………
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