中国ニューリッチの「虚栄の市」

大富豪ランキングで名を売った厳介和。工事受注を膨らませる錬金術が破綻した。

2007年1月号 BUSINESS

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 中国の富豪ランキング(富豪榜)には、意地悪な楽しみ方がある。来年か再来年、誰が落伍しているかを予測することだ。ニューリッチの化けの皮が剥がれるときほど、人が溜飲を下げる瞬間はない。 そうしたランキングの一つ「胡潤百富榜」(新富豪100人ランキング)で中国全土に名を轟かせ、「中国の不動産王」と呼ばれた太平洋建設集団(本社・江蘇省南京市)の厳介和主席も、一時「私財は125億元」と豪語していたが、今は銀行に催促された160万元すら返済できず汲々としている。 そもそも肩書に「主席」をつかうのは珍しい。一般に中国では企業トップの肩書は総経理(社長)や董事長(会長)で、「主席」はある年齢層以上の人々には「毛沢東」を連想させるから敬遠される。それをあえて名乗ったところに、彼の背伸びした人生が象徴されている。 中国ニューリッチの虚構に満ちた一代記をここで再現 ………

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