『徴税権力 ――国税庁の研究』
2007年1月号 連載 [BOOK Review]
チョキはパーに勝ち、パーはグーに勝ち、グーはチョキに勝つ。そういう単純明快なルールでジャンケンは成り立っている。ところが、現実の世の中では、チョキがパーに勝てない、いや相手に尻込みしてチョキを出せないことが結構ある。 チョキを国税庁、パーを大企業、グーを政治家に置き換えてみよう。徴税権を持つ国税庁は大企業の脱税にハサミを入れようとする。政治家に献金している大企業は、政治力に期待する。政治家は財務省(旧大蔵省)を通じて国税庁に圧力という拳骨を振り上げる。そんな奇妙なジャンケンの現場を、元国税庁担当の新聞記者が追いかけたルポが、本書である。「金丸信摘発の裏舞台」「介入する政治家」「検察との微妙な関係」「“聖域”としての大企業」「国税対創価学会」など8章から成り、出だしは珍しくチョキがグーに勝ったエピソードから始めている。 東京佐川急便から自 ………
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