北朝鮮が笑う「ザル制裁」

どだい実効性がない。中国は蛇口を絞るポーズだけ。包囲網破りに次の「豹変」は……。

2006年12月号 GLOBAL [核クライシス]

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 10月31日、米朝中3カ国の首席代表による非公式会合が北京で開かれ、とりあえず6カ国協議再開で合意した。ミサイル発射、核実験と国際社会に挑戦状を叩きつけてきた北朝鮮が、このタイミングで態度を豹変させたのは、考えている以上に金融制裁が効いているとも読める。一方で強硬姿勢をとる日本を6カ国協議から外せと声明を出すなど、足並みのそろわない包囲網をなし崩しに破ろうとしている。やはり経済制裁はザルでしかないのか。

6カ国協議で開き直りも

 北朝鮮が年末にかけてまた豹変するかもしれない。6カ国協議再開に際し、米国は金融制裁に関する作業部会の設置を提案したが、その見返りに北朝鮮がドルなどの紙幣偽造問題について「謝罪するのではないか」との観測が出始めたのだ。 これは一理ある。 2002年の小泉訪朝で北朝鮮が拉致の事実を一転して認め、「冒険主義」「英雄主義」のせいにして謝罪した前例があ ………

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