暴動押さえこまれ疎外感フランス郊外地域のマグマ

2006年12月号 GLOBAL [グローバル・インサイド]

  • はてなブックマークに追加

 フランス全土の274市町村で3週間にわたって計1万台の車両が放火され、非常事態法が発動された暴動事件から1年――今年は10月28日に南仏マルセイユで路線バスが放火され、女性1人が重体となったが、暴動が全国規模で広がる気配はない。ルモンド紙が一晩で277台が放火で炎上と報じたものの、内務省は機動隊4千人を特別配置し、放火の被害台数も公表しないなど、治安優先と厳罰主義を優先して暴動を押さえこんでいる。 しかし、大都市郊外の治安を悪化させた失業、移民、差別の根本問題は解消しておらず、「事態は悪くなる一方。襲撃の標的は狙いやすいもの、目立つものなら何でもありだ」とパリ郊外のバス運転手は語る。こうした地域では警察官、消防士、郵便配達人、運送業者、電気検針係が日々緊張と不安にさらされている。 昨年、暴動の発火点となったクリシー・スーボワ市の職員は「政府は背景にあ ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。