武田薬品が「さらば大阪!」

府が補助金200億円を積んだ研究所誘致に失敗。バイオ拠点「彩都」は暗礁に。

2006年12月号 BUSINESS

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 大阪府北部の茨木市と箕面市にまたがる丘陵地帯で開発中のバイオ研究拠点「彩都(国際文化公園都市)」に動揺が走っている。神奈川県と競いながら大阪府が誘致を目指していた国内医薬品最大手の武田薬品工業の研究所が、2010年をめどに神奈川県藤沢市に統合移転することが決まったからだ。 武田薬品が移転を決断した理由は、人材や情報など経営資源の集積が首都圏の方が厚いことにある。11月6日、武田薬品の長谷川閑史社長は中間決算発表の記者会見で、「20~30年後の研究体制を視野に入れ決めた」と語った。 武田薬品は、大阪市内にある「創薬研究所」と「探索研究センター」、つくば市の「茨城リサーチセンター」を、藤沢市に建設する新研究所に移転させる。研究者総数が1千人を超える国内最大級の研究施設となり、世界中から研究者が集まる24時間稼働の都市型研究所を目指す。「彩都」では、国際 ………

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