編集後記

2006年12月号 連載 [編集後記]

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 閃きや直観の危うさは、夢見心地となって喪神する瞬間にある。柳田国男は少年時代、小さな祠に収められた愛玩用の石を撫でながら天を仰ぐと、昼の青空が透きとおって星が瞬くのが見えたそうだ。もちろん白日夢だろう。危うい逢魔の瞬間である。離魂がふらふらと山野に消えていく。音もなく四囲に沈黙が舞いおりて、忘我というか――気が遠くなる。だが、ややもすると、その空隙に唯我独尊の毒が溢れてくる。 ▼今号から「Review」のコラムを始めた。ありきたりの書評、映画評にしたくない。できれば書籍だけでなく、ブログや資料文献などあらゆるテキストを批評してみたい。映像批評も、映画や舞台だけでなく「グーグルアース」の立体地上映像から「ユーチューブ」の投稿動画まで含めたい。物差しはただひとつ、ノンフィクション、またはそれに準ずるものである。われこそは、と思う人はぜひご紹介くだ ………

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