中国の文人作家 余 秋雨氏

震撼と発見こそが日中の心を啓く

2006年12月号 GLOBAL [インタビュー]

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 ――日中首脳会談が行われましたが、両国の相互理解はまだ難しい。でも、余さんの随筆集『文化苦旅』で、シンガポールに葬られた二葉亭四迷の墓を描いた文章に触れ、一条の光を見た思いがしました。 余 ほんとうに寂しい墓でした。(周りは軍人と娼婦の墓ばかりで)四迷はただ一人の文人であり、祖国を遠く離れた地に眠っています。とても孤独な魂が孤独な状態に置かれている。そういう知識人は常に追放の道を歩み、周りに理解されず、本も詩も広く読まれたことがないかもしれません。彼らは未完成の文化的魂だったと思います。 ――孤独に胸を傷めるのは文明が異なっても同じです。『よあけ』(福音館書店)というロングセラーの絵本があります。柳宗元の詩『漁翁』を絵本化したものです。でも、そんなことを知らない子供たちが、暁の光がさしそめて一瞬で緑に変じる山水に目を輝かす。 漁翁 夜 西 ………

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