『ザ・ぺニンシュラ・クエスチョン ――朝鮮半島第二次核危機』 船橋洋一著
2006年12月号 連載 [BOOK Review]
4年前の「小泉訪朝」から今年の「金正日南巡」まで、12章プラス終章で約750ページの大部なドキュメンタリーである。その構成は、妙な言い方になるが、まるでドーナツのようだ。 2002年9月、小泉首相の北朝鮮訪問シーンから書き出して、日朝の交渉過程を掘り起こし、続いて翌月のケリー米国務次官補の訪朝を契機とする北朝鮮の高濃縮ウラン開発計画による第2次核危機の進行と、ブッシュ政権の対北朝鮮政策の揺れを描く。さらに03年に相次いだロシュコフ・ロシア外務次官、林東源韓国大統領特別補佐役、銭其琛中国副首相の訪朝を切り口に、それぞれの国の関係国に対する思惑と行動の真意を探っていく。 著者の表現に従えば「朝鮮半島第二次核危機の現在史」であり、「危機はなお進行中であり、調査報道のつもりで書いた」本である。160人を超える各国の政治家、外交官らへのインタビューをもとに、克 ………
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