六本木ペニンシュラ 町井久之の戦後史

<下>見果てぬ夢「無頼脱出」

2006年12月号 BUSINESS [集中連載]

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 10月23日、福島県発注のダム工事をめぐり、受注側に便宜を図った見返りに約9億7千万円を受け取ったとして、前知事の佐藤栄佐久が収賄容疑で逮捕された。「まるで町井さんの怨念のようだ……」 戦後史の裏街道を生きた在日韓国人、町井久之(鄭建永)を知る人物が、電話の向こうでそうつぶやいた。 ちょうど30年前、福島では佐藤の2代前の知事、木村守江が汚職で逮捕され、有罪判決を受けている。この集中連載の〈上〉で伝えたとおり、この汚職事件では町井が生前に経営していた「東亜相互企業」の関与が疑われた。おかげで、彼が実業家としての飛躍を賭けて同県西郷村に巨費を投じたプロジェクト――農園とリゾート施設を兼ね備えた那須白河高原総合開発(別称・明日香台開発)が頓挫した。 町井は明日香台開発の夢を捨てきれぬまま、2002年9月、世を去った。電話の主は、彼の無念を今回の汚職事件に重 ………

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