2006年12月号 連載 [RELIGIOUS WORLD]
浄土宗(総本山・知恩院)の水谷幸正宗務総長(京都・三縁寺住職)が、9月末の定期宗議会で辞意を表明した。職員による7億円着服の責任を取った格好で、行政部門トップのこの決断は、今後の宗派の在り方に大きな影響を与えそうだ。 一大スキャンダルが発覚したのは、今年6月。宗務庁財務局で出納係をしていた職員が1997年ごろから約9年にわたって僧侶のための共済会の積立金など7億4500万円を着服、先物取引に流用していたという。職員は7月に懲戒解雇、9月には京都府警に業務上横領容疑で告訴された。 仏教各派の中でも大らかな気風で知られる浄土宗だが、7億円以上の着服が10年近くも発覚しないのは組織の体質が根底から問われる事態。さすがにこのスキャンダルをめぐっては責任追及の声が上がり、水谷内局に対する不信任決議案が提出された。しかし、来年秋までの任期だった水谷宗務総長自らの辞 ………
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