中国「設備過剰」の元凶

経済は「過熱か否か」で中央銀行は真っ二つ。過剰投資のメカニズムを徹底分析した。

2006年11月号 GLOBAL [チャイナリスク]

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 ビルや工場の過剰建設といった中国経済の最近の過熱は「軟着陸」できるだろうか。4~8月に4度の金融引き締めを行った結果、都市部の固定資産投資の伸びは6月の33%から8月に21%まで低下した。中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は過剰投資抑制に自信を示すが、一段の引き締めと人民元切り上げを求める米国などの圧力はなお強い。中国の「能剰」(設備過剰)は計画経済時代からあり、低水準の重複建設、過熱投資、過当競争の果てに価格暴落、収益悪化、設備の大量遊休化に陥りやすい。しかし市場経済化が進む今でも「一放就乱」(放任すると混乱に陥る)が発生するのはなぜか。北京大学中国経済研究センターの周其仁教授の分析を本誌に特別寄稿してもらった。<編集部>*   *   *   *   * 計画経済の時代にも「設備過剰」がなかったわけではない。1960年代初め、全国2千万人の工 ………

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