防衛次官「守屋天皇」の恐怖政治

首相官邸と結び異例の4年目続投。政治的嗅覚には舌を巻くばかりだが、庁内の評判は……。

2006年11月号 DEEP

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「俺は自衛隊に嫌われているからなあ……」。防衛庁の事務次官、守屋武昌はそう呟くと酒を一口啜った。 飲んでいる酒は宮城県の名酒「浦霞」だ。守屋の実家は宮城の材木商で浦霞の蔵元とも縁がある。 東北大学卒業後、防衛庁にキャリアとして入庁(1971年)、3年前に事務次官に上り詰めた。防衛庁は元来、弱小官庁で旧大蔵省や警察庁からの出向組が幅を利かせており、事務次官にもそうした出向者が昇格するケースが多かった。防衛庁生え抜きが事務次官になることもあったが、影が薄くなる。有力官庁出向者が事務次官になってくれた方が防衛関連予算、法案も通りやすい。防衛庁キャリアはなかなかトップになれない悲哀を味わわされてきた。 だが、守屋は違った。「政治音痴」とからかわれる防衛官僚の中にあって抜群の嗅覚とフットワーク(根回し)を武器に、与野党、首相官邸、米国大使館に食い込み、 ………

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