クボタがはまり込むアスベスト地獄

異例の救済金の裏で訴訟リスク回避の動き。広がる「死の黒点」が経営の屋台骨を揺るがしかねない。

2006年11月号 BUSINESS

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「静かな時限爆弾」と言われるアスベスト(石綿)禍。2005年6月、列島を揺るがす被害が突如、明らかになった。機械メーカーのクボタが同社の旧神崎工場(兵庫県尼崎市)により、工場の労働者だけではなく、周辺住民にも犠牲者が出ていることを公表したのだ。それから1年半。現在までに確認された死者は工場内外で200人を超し、クボタは道義的責任を認めて幡掛大輔社長が謝罪、計50億円を超える救済金や社内補償などを支払うことを決めた。 しかし、髪の毛の5千分の1もの微細な繊維が当時、どこまで飛散したのか。人口が密集する尼崎市南部で、どれだけの市民が毒性の著しく強い「青石綿」を吸引したのか。解明できていない部分も多い。「中皮腫」など石綿関連の疾病は、発症まで十数年から約40年とされる。病気の特性を考えると、被害は今後さらに拡大し、経営の屋台骨を揺るがしかねない「アスベスト ………

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