自称「今浦島」の内閣官房副長官に霞が関は仰天。「新カミソリ」を襲名できるか…。
2006年11月号 POLITICS
「事務次官会議は今でも事務担当の副長官が司会をしているの?」 開口一番、官房副長官・的場順三は前任の二橋正弘との引き継ぎで、イロハのイから確かめた。国土庁の事務次官を退官して16年。72歳の自称「今浦島」の現場復帰だ。二橋は首相・安倍晋三から無能呼ばわりでバッサリ切られた屈辱も忘れ、唖然とした。 1980年12月。予算編成が大詰めの大臣折衝を迎えていた。農林族上がりの蔵相・渡辺美智雄は農水省の復活要求を見て、怒髪天を衝いた。「何だ! この要求は。俺は一言も聞いてないぞ。絶対に許さん!」 農水担当の主計官が切り返した。「こんな悪い癖をつけたのはあなたじゃないですか!」 農業予算では概算要求になかった項目を復活折衝で強引に押し込む慣行があった。かつてのミッチーら暴れる族をなだめるための演出だった。 ミッチーはウッと机に両手を突いたまま、ガタガタ身を震 ………
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