2006年11月号 DEEP [ディープ・インサイド]
ニッポン放送株のインサイダー取引事件で、起訴事実を認めてわずか22日で保釈になった村上ファンドの村上世彰前代表が、裁判では一転してほぼ全面否認することになった。村上被告と「司法取引」までして自白調書を作成した東京地検特捜部だったが、その取引がネックとなって、裁判で調書の信用性が否定される可能性も出てきた。 自白調書にサインすることと引き替えに、村上前代表は特捜部に3人の重要幹部の逮捕をやめさせ、ファンドの崩壊を免れた。口八丁の詐欺師のような情報操作で相場を作るといっても、インサイダー取引の成立は難しい面がある。このため特捜部は狡猾な村上前代表の誘いに乗ってしまったのだ。 取引交渉で活躍したとされるのは、元東京高検検事長の則定衛弁護士。女性スキャンダルで検事総長のイスを目前にして失脚した大物OBだ。 村上前代表は則定氏の交渉能力を評価したう ………
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