NSC? いや、スピーチライターこそ

2006年11月号 連載 [手嶋龍一式INTELLIGENCE 第7回]

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 首相官邸の機能をもっと確かで勁(つよ)いものにしたい――。新たに総理の座に就いた安倍晋三のこうした思いは、かなり真剣だとみていい。それだけ、日本の首相を取り巻く環境が脆弱なのである。官邸で官房副長官や長官を務めた経験から、首相がときに「裸の王様」になってしまう危うさを肌で知っているのだろう。 政権が視野に入り始めた頃から、安倍は小泉内閣の東アジア外交を刷新しようと、水面下で動き始めていた。総理に就任するや、日を置かずに北京とソウルを電撃訪問する。この中韓同時訪問によって「制御不能なまでに悪くなってしまった」(カート・キャンベル元国防次官補代理)といわれる日中、日韓の関係を修復する。そして首脳外交を突破口に政局の主導権を握って新政権に浮揚力をつけようとしたのだった。 中国側もしたたかだった。事前の折衝では粘りにねばって「靖国参拝セズ」の保 ………

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