2006年11月号 連載 [硯の海 当世「言の葉」考 第7回]
政治家になった安倍晋三さんに初めて会ったのは、たぶん、当選して間もない頃だろうから、13年ほど前、山梨県鳴沢村にあるゴルフ場のクラブハウスの廊下だった。一緒に回るプレーヤーを「こちらが石原伸晃さんです」と紹介してくれた。ああ、政界ももうじきこの人たちの時代がくるんだな、と思った。それぞれの父親、晋太郎、慎太郎の2人の「シンタロー」さんには取材でずいぶん世話になった。父親世代のカリスマ性はないが、どこかサラブレッドの3歳馬を北海道の牧場で見たような気持ちになったものである。 私より10歳若い安倍さんは、どの政治家も成し遂げられなかったスピードで駆け上り、宰相になった。小泉政権5年5カ月の間に官房副長官│自民党幹事長│幹事長代理│官房長官と政権の中枢で「宰相学」を学び、ぶっちぎりの独走状態で自民党総裁選を勝ち抜いた。戦後最年少の内閣総理大臣誕生であ ………
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