池でのた打つ「巨鯨ファンド」

アマランス破綻の裏で起きた猛烈な持ち高の巻き戻し。膨張マネーと収益率低下のジレンマが見えた。

2006年11月号 BUSINESS

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 台風一過の秋晴れというのだろうか。天然ガスで巨額損失を出したヘッジファンドの死骸を横目に、ニューヨークダウ工業株30種平均は6年8カ月ぶりに最高値を更新した。投資家たちは、あえて自らの“アキレス腱”から目を背けている。 この9月、世界の商品市場を揺さぶったのはブライアン・ハンターという名だった。カナダのアルバータ大学で金融工学を専攻した32歳の商品トレーダーだが、天然ガス市場で天候予想関連の「値付けの誤った(ミスプライス)オプション」を取引するのを得意とし、昨年は専門誌で年収29位にランクされた。 ところが、先行きの天然ガス高を見込んだ彼のポジション(持ち高)が、天然ガス相場の急落に直撃されたのだ。昨年の「カトリーナ」のような大型ハリケーンが今年は来なかったのが引き金だが、規模の小さな天然ガス市場に余りにも巨大な投機資金が入ったことが悲劇の主因 ………

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