迷走する三洋電機「総領の甚六」経営の限界

2006年11月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]

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 三洋電機は9月28日、洗濯機の生産を滋賀工場から東京製作所に移し、「家電部門を発展的に解消する」と発表した。聞こえはよいが、祖業である白物家電の国内自社生産からの撤退だ。05年11月に発表した経営再建策では、家電をコア事業からはずしていたため、市場では「今さら感」が強く、株価はほとんど反応しなかった。 井植敏雅社長と野中ともよ会長は、赤字が続く家電部門の立て直しを最大の使命としながら、行き当たりばったりの経営を続け、結局、第1四半期(4~6月)で、家電部門は計画値を達成できなかった。それで、株主から送り込まれた金融出身の社外重役が主張する「白物撤退」案をのまされた。 創業家の三代目である敏雅氏は昨年、社長に昇格。社内では「ぼん」と呼ばれ、人柄はいいが、経営手腕は怪しいとの評判。自信のなさからか、主要部門は父で前会長の敏氏の番頭格だった役員に任せ ………

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