日産自動車――「ゴーン革命」の末路

ルノーに貢いだ莫大な利益はコスト削減と部品メーカーからの搾取の賜物。「技術の日産」の現場は死屍累々。「ゴーン功成って万骨枯る…」の声も。

2006年11月号 BUSINESS [企業スキャン]

  • はてなブックマークに追加

 はっきり言おう。日産自動車のカルロス・ゴーン社長による「革命」は崩壊に向かっている。人心も「カリスマ」と呼ばれた剛腕経営者から離れ始めた。国内販売の落ち込みは、目を覆うばかりだ。収益源だった北米での販売台数も4月から前年同期比割れが続いている。2006年9月中間決算では、営業利益は大きく落ち込む見込みだ。半期ベースでの減益は経営再建後初めてとなる。 こうした不振を覆い隠すかのように、日産は相乗効果が明確でない米ゼネラル・モーターズ(GM)との提携交渉に乗り出して失敗した。日産社内にもGMとの提携を疑問視する向きもあった。 GMとの交渉では、欲望と野心が重なった。GMの筆頭株主の投資会社を率いるカーク・カーコリアン氏は、GMの株価を上げるため、ゴーン氏の「リストラ力」に目をつけた。カーコリアン氏は常識はずれにも、GMのリチャード・ワゴナーCEO(最高経営責 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。