六本木ペニンシュラ――町井久之の戦後史

<中>力道山が紹介した「黒幕」

2006年11月号 BUSINESS [集中連載]

  • はてなブックマークに追加

 コンクリートの高い壁が聳える東京・千代田区の朝鮮総連(在日本朝鮮人総連合会)中央本部。今年5月17日、報道陣が見守るなか、背広姿の男2人が笑顔で抱き合った。 民団(在日本大韓民国民団)中央本部団長の河丙鈺と、朝鮮総連議長の徐万述。2人は両団体の和解と団結を謳った共同声明に署名した。自由主義国家の韓国を支持する民団と、金正日総書記が独裁体制を敷く北朝鮮に追随する朝鮮総連――約60年にわたる反目の歴史に終止符を打つ瞬間、となるはずだった。 だが、声明は「絵に描いた餅」に終わる。民団内部では間もなく地方組織から「時期尚早だ」と反対する声が噴き出す。民団は大混乱に陥り、北朝鮮が7月に7発のミサイルを発射したのを口実に、共同声明を一方的に白紙撤回。河は8月に「健康上の理由」で団長を退いた。「民団と総連は白と黒。流血の歴史は簡単には拭えない」と民団の重鎮。本 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。