愛国心教育は有害無益

2006年11月号 連載 [「軍略」探照灯 第7回]

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「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養う」として、愛国心の涵養を「教育の目標」の一つに織り込んだ教育基本法の改正を安倍総理は最重要の政策目標として掲げている。だが、私のように若干軍事史を知る者にとっては、愛国心、あるいは自分の帰属する集団を守り、外敵と戦う集団的闘争心は人類の本能と思われ、それを学校教育で高揚させる必要があるのか、と首を傾けざるをえない。 例えば日本史上ほとんど唯一の純粋の防衛戦争である元寇に際しては、相続争いや派閥抗争で陰惨な戦いを繰り返していた鎌倉時代の武士たちが比較的よく団結して勇戦し、文永の役(1274年)では今日の暦で11月19日に博多湾岸に上陸した元軍に痛打を与えた。敵側の記録では「官軍整わず、また矢尽く」状態となり、夜を待って再 ………

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