日本興亜とあいおいの嫁ぎ先が焦点。慌てた東京海上は日本郵政に急接近。
2006年11月号 BUSINESS
福沢諭吉は日本にinsurance(保険)を紹介する際、「災難請合」の訳語を創り、「一人の災難を大勢が分かち、わずかの金を捨てて大難を逃れる制度」と商品の本質を簡潔に言い表してみせた。それから139年。今は保険料をきちんと納めても、万一の時にカネが支払われない。損害保険業界は国民の信頼を失い、各社は前途に待ち受ける再編の嵐に見舞われるだろう。 9月29日、損害保険各社は金融庁に自動車保険を主体とする保険金不当不払いの再調査結果を一斉に報告した。大手6社の不払い額は合計26万件余、総額162億円を超えた。昨年11月の調査に比べて件数で1.8倍、総額は2.3倍に急増。調べれば調べるほど支払い漏れが見つかる事態に陥り、日本の損保業界にはもはや「災難請合」を名乗る資格はない。 このうち、あいおい損害保険が約6万8千件と最も多かったが、「調査継続中」で今後さらに増えるという ………
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