中央アジアで無邪気に手を突っ込んだが、そこは米ロが利権を争奪する「火床」だった。
2006年10月号 POLITICS
小泉外交のフィナーレは9月のフィンランド訪問だが、成果から言えば8月28~29日の中央アジア歴訪だろう。日本の現職首相として史上初めて、シルクロード上のカザフスタンとウズベキスタンを訪れたが、「首相退任まで残りわずかなこの時期に、いったい何をしに行くのか」と訝る向きも少なくなかった。 この6月、東京で2年ぶりに「中央アジア+日本」対話の第2回外相会合が開かれた。日米同盟を日本外交の基軸とする外務省が、中ロに押され気味の米国の中央アジア戦略立て直しを側面支援する狙いだった。 米国は2001年のアフガニスタン侵攻で中央アジアに橋頭堡を築いたものの、ロシアや中国の巻き返しにあって後ずさりしている。昨年7月には、中ロ主導の上海協力機構(SCO)が米軍に中央アジア駐留期限を明示せよと要求。ウズベキスタン完全撤退を余儀なくされた米軍は、キルギス駐留を継続している ………
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