「教育に競争原理」の愚英国が日本より先に実証

2006年10月号 GLOBAL [グローバル・インサイド]

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 英国も数学と読み書きの基礎学力低下に悩んでいる。義務教育修了時(16歳)で受験する一般中等教育修了試験(GCSE)の今年の結果が発表され、一科目以上でAからGまでの7段階評価でC(基礎力)以上の成績をとった生徒は全体の62.4%(昨年は61.2%)と過去最高だったが、数学でC以上の生徒はわずか54%。10人のうち4人は英語の読み書きの基礎力に欠け、教育を最重要課題に掲げてきたブレア政権の不人気に拍車をかけた。 日本でも暗記が必要な日本史や西洋史を避けて「倫理・社会」を選ぶ傾向があるが、英国でも生徒が外国語より楽なメディアなどの科目を選択する傾向が鮮明となり、学校側も学校評価に直結する「GCSE合格率」を上げようと後押ししているという。 発端は、サッチャー元首相が教育に競争原理を導入したことにある。日本の文部省をモデルにしたとされる学習指導要領を設けて全国テストを ………

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