日中「頭越し」接近を恐れる韓国

孤立に危機感。安倍新首相に期待と警戒こもごもで、11月首脳会談をめざすが。

2006年10月号 GLOBAL

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 新政権発足を目前にした安倍晋三氏に対する韓国政府の視角には、「警戒感」と「期待感」が交錯している。前者は青瓦台(大統領官邸)に、後者は外交通商部に色濃い。両者に共通しているのは、北朝鮮のミサイル連射によって、「韓国外交の孤立」ぶりが浮き彫りになったことへの危機感だ。 盧武鉉政権は任期を1年以上も残し、レームダック化した。地下核実験の強行か、金正日総書記の訪中か。北朝鮮の出方も予測不能だ。来年12月の次期大統領選に出馬する有力候補者の動向を含め、韓国の対日外交は混迷する可能性が強い。

外交通商部と青瓦台で二分

 盧政権の対日外交には二つのチャネルがある。青瓦台と外交通商部だ。昨春以来の対日強硬姿勢をリードしてきたのは、盧大統領自身を含む青瓦台側である。外交通商部は知日派も少なくないが、対日方針の決定で「蚊帳の外」に置かれるという異様な事態が続いてきた。 安倍氏の政 ………

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