「晋三版CIA」に立ちはだかる壁

2006年10月号 連載 [手嶋龍一式INTELLIGENCE 第6回]

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 あの日、蒼く澄みわたった米東海岸の空に4機のハイジャック機が相次いで姿をみせ、テロリストたちが自爆テロを決行してからはや5年の歳月が過ぎ去ろうとしている。この事件は3千人の尊い人命を奪っただけではない。アメリカという名の巨大タンカーにハイジャック機が自爆攻撃を敢行したことで、その針路を大きくへし曲げてしまった。9・11事件はまさしく現代史を画するターニング・ポイントだった。そしてポスト冷戦の時代すら早々と終わらせてしまった。 ふたつの大洋に守られたアメリカの本土は、絶えていちども外敵の攻撃にさらされたことがなかった。米国民の誰もが聖域と信じていた国土をテロリストによって侵された衝撃が、ブッシュ共和党政権をアフガニスタンからイラクへの戦争に駆りたてていった。 アメリカの国土を狙う者がいれば、その脅威を断じて座視しない。ブッシュ政権は、冷戦期以 ………

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