中国がバチカンと「和解」

獄中10年の地下教会の神父を釈放。10月にも国交正常化を決め、来年にはローマ法王が初訪中か。

2006年10月号 GLOBAL [アジア流動化]

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「宗教は阿片なり」――25歳のカール・マルクスが『ヘーゲル法哲学批判序説』でそう喝破したのは、中国(清朝)が阿片戦争に敗れ、涙を飲んで香港を英国に割譲した翌年、1843年のことである。 それから163年。共産党政権下のいまの中国は、憲法で信教の自由を謳っているが、「宗教を阿片」とする考えが根を張り、宗教団体は政府や党の規制下にある。チベット仏教や気功集団「法輪功」に対する厳しい弾圧は海外から批判されている。キリスト教カトリック教会も、党などの統制に従う官製教会とは別に“地下”教会があって、その聖職者は投獄されるなど厳しい弾圧を受けてきた。それが歴史的な和解を迎える兆しが出ている。

バチカン特使が秘密訪中

 1996年5月に中国当局に逮捕されて以来、10年以上も拘置されて姿をみせなかったカトリック地下教会の河北省保定教区の安樹新(アンシユイン)(洗礼名フランシス)補佐司教がこの8月 ………

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