王子製紙が踏んだ三菱金曜会の虎の尾

三菱商事が北越に加勢したのはグループの意地。王子にやられた三菱製紙の仇討ちだった……。

2006年10月号 BUSINESS

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 8月29日、「日本初の敵対的TOB(株式公開買い付け)」と喧伝された王子製紙の北越製紙に対するM&A(企業の合併・買収)は、王子惨敗を際立たせて幕を引いた。狙われた北越が三菱商事を引受先とする第三者割当増資の実施を7月21日に発表すると、王子はその2日後にTOB計画を公表。三菱商事が引き受けた一株607円を上回る800円のTOB価格を提示したまでは颯爽としていたが、北越と三菱商事の拒否にあい、北越株主の大半からも総スカンを食らった。その後、TOB価格の引き上げといった打開策を講ずることもなく、9月4日の最終期限を待たずに敗北宣言を発した。「(王子の財務アドバイザーに就いた)野村(証券)にしてやられた」と、王子のドンである鈴木正一郎会長は親しい関係者にぼやいている。

「中越パルプ」との破談の真相

 王子にとって北越を手に入れる方策は他にもあった。7月3日、王子の鈴木会長と篠田和久社長が北越の三輪 ………

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