親の心、子知らず。AOKIへの身売りを策したのは、子息の手腕に見切りをつけた老創業者だった……。
2006年10月号 BUSINESS
経済合理性からは「あり得ない」弱者連合の顛末が、心ある経済人を呆然とさせた紳士服チェーン業界の買収合戦。業界2位のAOKIホールディングスと4位のコナカが7位のフタタを奪い合い、フタタは提案内容が明らかに劣るコナカを身売り先に選んだ。その内実は二代目社長同士がつるむ「ドラ息子連合」の愚の骨頂だ。ステークホルダーにとって、これほどの「敗着」はない。 企業の存続や雇用の維持、待遇の改善という経営の基本から考えれば、フタタ社長の二田孝文氏(50)は一株700円というコナカより高値でTOB(株式公開買い付け)を提案してきたAOKIに身売りするのが理の当然だった。AOKIは、フタタという企業の存続を保証し、従業員の雇用維持も約束していた。待遇面でも、大卒初任給が20万円台とフタタ、コナカよりも2万円も高く、「AOKIと組めば、店長クラスなら10万円くらい違ったかもしれない」( ………
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