水谷建設「汚れ役」の半落ち

身代わりに裏金をばらまいた「前さばき屋」。原発絡みの国策捜査で浮かぶ標的の政治家は……。

2006年9月号 DEEP [ザ・クライム]

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 東京・永田町で知らぬ者がないと言われた三重県桑名の中堅サブコン、水谷建設の元会長、水谷功(61)を取り調べる東京地検特捜部の検事は、いたわりの言葉をかけた。「水谷さん、あんた、今まで大変だったでしょ。みんな、あんたに汚れ仕事をさせて、汚いことは全部あんたに押しつけてきたもんな」 自白させるための「おためごかし」とばかりは言えない。一身に日本の「業」を背負ってきた彼の姿には、悲哀さえ漂うからだ。 7月12日、韓国・金浦空港から羽田空港に降りたところを逮捕された水谷功は、東京・小菅の取調室では従順そのもののようだ。検事が優しい言葉をかけると、声を詰まらせ、ただうなずく場面もあったという。 人が集まるところに政治は生まれ、政治のあるところ、権力と利権が生まれる。利権はカネを生み、カネのあるところに権力が生まれる。こうした癒着の連鎖が明るみに出る ………

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