「強毒型インフルエンザ」蔓延の恐怖

国連が「最大1億5千万の死者」を想定。現状は時限爆弾の上に座っているようなもの。

2006年9月号 DEEP

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 強毒型(高病原性)のH5N1型鳥インフルエンザの人への感染が世界的に広がっている。03年の2カ国(感染4名、死亡4名)、04年の2カ国(感染46、死亡32)、05年の5カ国(感染95、死亡41)、06年は8月9日現在で9カ国(感染91、死亡61)と増え続けている。インドネシア、ベトナム、中国、タイ、エジプト、イラク、トルコからアフリカ諸国へ拡大。8月9日現在、世界保健機関(WHO)が確認した感染者は236名、このうち138名が死亡、致死率は実に58%。 特徴的なことは、体内に異物が侵入すると、これを撃退するために働く活性物質サイトカインが、ウイルスに過剰反応して自らの身体を攻撃して重症化させ、多臓器不全をもたらすサイトカインストームが見られること。高齢者や乳幼児の罹患が多いインフルエンザとは異なり、若い年代層の犠牲者が際立っている。

やっと「指定感染症」に指定

 鳥インフルエンザは本来、鳥の間だけで蔓延す ………

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