元日本興業銀行頭取 西村 正雄氏

晋ちゃん思いの硬骨漢

2006年9月号 連載 [ひとつの人生]

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「改革なくして成長なし」は正しいか――。8月の「金融財政事情」誌への寄稿が遺稿となった。「デフレ下の不良債権処理加速によって、つぶれなくてもよい中小企業、銀行の倒産や株価下落を招いた」と小泉改革に噛みついた。「経世済民」の思想が小泉首相には欠落している。言いたいことを言わねば収まらない一言居士だった。晩年、気が気でなかったのが、偏狭なナショナリズムの台頭。今年の年賀状には「戦前のような暗黒時代に逆戻りするのではないかと危惧しております」と書き添えてあった。 靖国神社の展示施設「遊就館」を昨年訪ねた。館内で繰り返し放映されるビデオ「私たちは忘れない」は太平洋戦争を「アジアを欧米列強から解放する戦い」と正当化、美化していた。終戦時は旧制中学1年だったが、「戦時中、どんどん時代が暗くなっていったのを覚えている」。「一人一殺」の軍事教練も嫌で嫌で仕 ………

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