「泥沼レバノン」増幅する拒絶と憎悪

エルサレム訪問の当日に起きた“暴発”。小泉首相の「自制」忠告はみごとに無視された。

2006年9月号 GLOBAL

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 小泉純一郎首相がエルサレムを訪れたまさに7月12日当日、レバノンのイスラム教シーア派民兵組織、ヒズボラ(神の党)はイスラエルの北部国境を越えて侵入、イスラエル兵を殺害したうえ、兵士2人を拉致して、村落や軍事拠点にロケット弾の雨を降らせた。 同日午後、オルメルト首相と臨んだ会見で小泉首相は述べた。「目には目を、の気持ちは理解できるが、長い目で見て希望を残すことも重要であり、抑制も大事である」 小泉首相の忠告は無視された。イスラエルは代わりに、オルメルト首相がこの共同会見で返答したとおりのことを実行したのである。「報復は非常に抑制されたものになるだろう――それは大きな大きな大きな痛みを伴うが(very, very, very painful)」。 その後、テレビの画像や新聞記事で世界に報じられたのは、国境の両側で起きた大規模な人的被害である。 レバノンではイスラエルの ………

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