レバノンが阿鼻叫喚でも、アメリカは進軍ラッパ。息を吹き返したネオコンはまた「体制転換」を連呼する。
2006年9月号 GLOBAL [パワーゲーム]
レバノン国境に「7月の砲声」が鳴り響いた。1914年夏、欧州が第一次世界大戦になだれこんだ『8月の砲声』(バーバラ・タックマン)と同じく、この砲声も世界のパワーゲームを一変させたのだろうか。 2人のイスラエル兵を拉致したヒズボラの越境襲撃に対し、イスラエルは艦砲射撃や空爆、さらに国境を無視して南部レバノンに地上部隊を送るなど、大規模な報復攻勢に出た。市民や国連拠点まで巻き添えにした仮借ない攻撃に、国連ではイスラエルとその後ろ盾のアメリカが批判の矢面に立たされているが、ワシントンでは歓呼の声一色なのだ。 起死回生――国際政治の競技場でもときに暗雲を払う瞬間が訪れることがある。イラクの泥沼にはまり、テロ掃討も、中東民主化も、核拡散阻止も抜き差しならない逼塞に陥り、大統領の支持率も低迷して気息奄々だったアメリカのネオコン(新保守派)勢力にとって「流 ………
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