信託の復権、「会社」偏重に風穴

2006年9月号 連載 [隗より始めよ]

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 愛する妻子を残したまま突然戦地に赴かねばならないとしたら、あなたは何をするだろうか。 あなたは土地と家作を親友に託し、こう言うだろう。「おれが還るまでこの土地と家作を管理し、妻子が食べられるようにしてくれ。もし還らなかったら、そのままおれに代わって管理し続けてくれないか」 これが信託の起源と言われている。中世イギリスで十字軍に赴く騎士が始めたものらしい。信託とは、「愛する人のため、自分の財産を『信じて託す』」スキームだ。 日本に信託が導入されたのは明治末期。しかしなかなか根づかなかった。「会社」という別の資本主義のスキームが先に導入され、全盛を誇っていたからだ。 こちらの起源は16世紀ロンドンでコーヒー店に集まる商人仲間。東インド会社を設立し、投資の見返りを求めて冒険の船旅に乗り出したのが始まりだ。 戦前から日本では資本主義の器と言えば ………

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