息吹き返すタリバン  「復興」手抜きのツケ

イラク内戦の陰でいつのまにか鎌首。カルザイ政権は軍閥腐敗で住民の信を失う。

2006年8月号 GLOBAL

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 アフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバンが息を吹き返してきた。今夏、NATO(北大西洋条約機構)軍約6千人に対抗して、これまでにない先制攻撃を仕掛け、400人近くのアフガニスタン人が命を落とした。西側諸国とハミッド・カルザイ大統領の政権は、この悲劇の国の復興に無為無策だと批判され、外国兵駐留に対する風当たりも強くなる一方である。 昨年まで数百人のゲリラ兵士しかいなかったタリバンの有力司令長官ダドゥッラー師は、今や1万2千人の兵士を従え、タリバンの中心地だったカンダハル、ヘルマンド、ザブール、ウルズガンの南部4州にある20地区を手中に収めたという。パキスタンと国境線を接する東部州では、国際テロ組織アル・カイダとタリバンの連合勢力がしっかりと根を張っている。 テロの根を絶つため米国主導の多国籍軍が侵攻してタリバンとアル・カイダを掃討し、新政権が生 ………

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