ヨソモノお断り「要塞ヨーロッパ」

「国境なき欧州」どころか、難民も移民も短期滞在も物資も排除する「見えざる壁」。

2006年8月号 GLOBAL

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 1989年11月、ベルリンの壁が崩壊した時、世界は新世界が創造されつつあると信じた。障壁も禁圧もない世界、コミュニケーションと協力の国境なき世界が生まれつつあるのだと。しかし壁が崩壊して17年を経た今、欧州統一は成功した物語には見えない。EU(加盟国数は12から25に増加)が内部に抱える不安が、当初の統一の夢よりも強まってきたからである。短期間で欧州は数々の障壁を作り出し、域内4億5700万人の住民をいつでも保護できる安全な要塞を作り出した。「要塞ヨーロッパ」はすでに普通名詞となっており、非EU産品や非EU企業及び非EU市民をできる限りEU域内に入り込ませないようにするEU諸施策を端的に表す。 80年代まで、欧州以外の国民がEUの前身である欧州経済共同体(EEC)に入り込むことはとても簡単だった。途上国出身の多くのアフリカ人やアジア人が、東側の安い航空会社を利用してベル ………

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