米国を脱出し、欧州との連合で活路を探す新潮流。うかうかしていると日本も餌食。
2006年8月号 BUSINESS
つい最近、ロンドンの金融街シティやニューヨークのウォール街で交わされる内輪の会話に頻出するのが「グレイフェルド」という名だ。「おい、グレイフェルドがシンガポール取引所との提携に関心を示しているんだってさ」「いやいや、グレイフェルドは、英国ヘッジファンドのTCI(ザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンド)から大阪証券取引所の株式を購入するらしいぞ」 グレイフェルドとは人名である。米国店頭市場ナスダックを運営する「ナスダック・ストック・マーケット」のロバート・グレイフェルド最高経営責任者(CEO)のこと。 185センチを超える長身に鋭い眼光。私設電子証券取引所(ECN)を運営していた金融システム会社の副社長から2003年にナスダックにスカウトされた。市場運営者というよりビジネスマンだ。「24時間眠らない市場」――時差の異なる国々からなる取引所連合を再度め ………
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