好事魔多し「井上ダイキン」

関西財界のトップの座は目前。巨額買収で「社格」もつけたが、いかんせん後継がいない。

2006年8月号 BUSINESS

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 好事魔多し、という。いまのダイキン工業がそうかもしれない。国内の空調トップメーカーで、ウェブサイトにはやたらと威勢のいい財務データが並んでいる。「1994年度から12年連続連結経常増益。12年間で連結売上高は2・1倍の7929億円、経常利益は491倍の687億円」 不思議なことに、ほとんどが94年度との比較だ。それもそのはず、ダイキン「中興の祖」と社内で崇められる井上礼之会長が社長に就任したのが94年6月。それ以来、経営トップに君臨してきたが、確かに借金や不採算部門が多い企業体質をリストラによって「筋肉質」に変えたことは井上氏の実績である。 好業績だけではない。戦略的にも大胆な一歩を踏みだした。今年5月、マレーシアのコングロマリットであるホンレオン・グループ傘下の「OYLインダストリーズ」を2320億円で買収すると発表したのだ。買収金額は経常利益の約3・4倍である。連 ………

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